今日の朝は、とにかく強烈に寒かった。
車に乗り込もうとした瞬間、フロントガラスがバキバキに凍っているのを見て、「あ、これは今シーズン一番だな」と直感した。
吐く息は白く、指先は一瞬で感覚がなくなるような冷え込み。
そんな朝でも、私はいつも通り庭へ向かう。
出勤前の草取りは、もはや習慣であり、生活の一部だ。

寒さに耐えきれず、ぶるぶる震えながら鎌を準備し、独り言で「さむーーい!」と声を出したその瞬間だった。
すぐ脇の道路に、保育園へ向かう途中らしきお姉さんがいて、ばっちり目が合ってしまったのだ。
「おはようございます。ほんと寒いですね!」
……おーーい!めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!!
きっと今ごろ保育園で、
「あの家の旦那さん、あんな寒い中で鎌持って草取りしてたよ(笑)」
なんて話題になっているに違いない。
そう思うと、寒さとは別の意味で体温が上がった気がした…
今シーズン一番の冷え込みと、凍りついた庭の状態
庭に目を向けると、草は一様に白い薄化粧をまとっていた。
緑の葉の表面には霜が降り、Bも同じように凍りついている。
いつもの「シャリシャリ」という感触を想像して鎌を入れてみたが、今日はまったく違った。

シャリシャリを通り越して、カリカリ。
まるで鎌の刃を削っているかのような嫌な感触が手に伝わってくる。
これはいけない!
正直、草よりも鎌のほうが心配になった。
庭仕事において道具は命。
ここで無理をして刃を傷めるのは本末転倒だ。
たった5分ほどの格闘だったが、今日は潔く撤退する判断をした。
寒い朝ほど、「やらない勇気」も大切だと自分に言い聞かせる。
場所を変えれば答えがある?薪棚の北側での発見
とはいえ、
「今日は草取りできませんでした」
で終わるのはどうにも気持ちが悪い。
そこで庭をぐるりと見渡し、凍っていなさそうな場所を探した。
すると、薪棚の北側に目が止まった。

夜中、冷たい風が直接当たらなかったのだろうか?
そこだけは霜が少なく、土も完全には凍っていない。
鎌を入れてみると、先ほどとは違い、ちゃんと草が切れる。
「ここだな」😎
そう確信し、その一角だけを丁寧に草取りすることにした。
量としては、いつもの半分以下。
それでも、寒さと相談しながら場所を選び、道具を労わりつつ作業するという判断ができたことに、少しだけ成長を感じた。
庭仕事は、力任せにやるものではない。
自然と対話しながら、状況を読む作業なのだと、改めて思う。
少量でも得られる達成感。寒い朝に庭へ出る意味
明日もまた寒い朝になるだろう。
それでもきっと、私は庭へ出る。
誰に見られていようと、独り言を聞かれていようと関係ない……そう思いたい。
ただひとつだけ、今日の反省点がある。
次に同じ場面が来たら、独り言はもう少し小さめにしよう。
いや、いっそ誰かに見られる前提で、ちゃんと挨拶する練習をしておくべきかもしれない。
「おはようございます。寒いですね。……草、取ってます。」
そう言えたら、もう恥ずかしくない。


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